研究事例
数学・数理科学分野と産業界・諸科学分野との連携研究事例集
研究テーマ
ポスト量子時代における次世代暗号の構成と安全性評価
研究者名 高木 剛 研究者所属 東京大学大学院 情報理工学系研究科 教授キーワード 情報セキュリティ、サイバーセキュリティ、公開鍵暗号、RSA暗号、楕円曲線暗号、ポスト量子暗号
研究内容
A:どんな諸分野・企業の、どんな問題や現象をターゲットにしたか。
現代暗号は、盗聴を防ぐ単なる通信路としての狭義的な暗号だけでなく、IT技術の進歩により、秘匿データ検索、著作権保護、電子投票、仮想通貨など、その用途は急速に拡大してきています。実社会での暗号利用を目的として、効率的な暗号アルゴリズムの設計と物理的攻撃などに対して安全な暗号実装技術の研究をしています。
B:どんな数学・数理科学をどのように使ったか。
情報社会の安全性を支える暗号理論の研究を進めています。想定される攻撃者の解読能力や計算理論の進歩を取り入れた将来に渡り安全となるセキュリティモデルを考察します。量子計算機の時代においても解読困難となる新しい数学問題(符号理論,格子理論,多変数多項式,グラフ理論など)を応用したポスト量子暗号の構成と安全性評価を行ないます。
C:どんな成果が得られたか。(あるいは、どんな成果を目指しているか。)
情報社会の安全性を支える暗号理論と情報セキュリティの研究を進めています。特に、著作権保護、電子投票、仮想通貨など実社会での暗号利用を目的として、効率的な暗号アルゴリズムの設計と物理的攻撃などに対して安全な暗号実装技術の構築を目指しています。
D:どのようなきっかけでその諸分野・企業との連携が始まったか。
2011年から九州大学で開催されたスタディグループワークショップがきっかけとなり、東芝研究開発センターや三菱電機などの民間企業と次世代暗号に関する共同研究を開始しています。