研究事例
数学・数理科学分野と産業界・諸科学分野との連携研究事例集
研究テーマ
自走液滴に対する数理モデリング
研究者名 長山雅晴 研究者所属 北海道大学電子科学研究所キーワード 数理モデリング,離散勾配流法,,非線形物理,ソフトマター,物理化学,表面張力
研究内容
A:どんな諸分野・企業の、どんな問題や現象をターゲットにしたか。
物理学・化学の分野で扱われている液滴運動の融合現象や反発現象について理論的に解明する.
B:どんな数学・数理科学をどのように使ったか。
液滴運動の数理モデリング,自由境界値問題,離散勾配流法を用いた数値計算
C:どんな成果が得られたか。(あるいは、どんな成果を目指しているか。)
自走する液滴は,適当な大きさでは自走し,大きな液滴は分裂する(図1C)ことが知られている.また,小さな液滴は衝突時の角度によって反発したり(図2.a),融合したりする(図2.b). 液滴と水面の接触角もこめてこの現象を記述する数理モデルを構成することに成功した.図3(a)は体積の小さな液滴の並進運動,図3(b)は体積の大きな液滴の分裂現象を再現した数値実験結果である. 図3(c1,2)は液滴の衝突角度に依存して反発や融合を起こす現象を再現している.
D:どのようなきっかけでその諸分野・企業との連携が始まったか。
2004年から毎年非線形現象勉強会を開催しており,その勉強会の発表で実験結果の発表があり研究を開始した.