研究事例
数学・数理科学分野と産業界・諸科学分野との連携研究事例集
研究テーマ
脳形成過程に見られるプロニューラルウェーブの数理モデリングと実験
研究者名 長山雅晴 研究者所属 北海道大学電子科学研究所キーワード キーワード: 数理モデリング,数値計算,反応拡散系,発生生物学,プロニューラルウェーブ,EGF.Delta-Notch
研究内容
A:どんな諸分野・企業の、どんな問題や現象をターゲットにしたか。
ショウジョウバエの脳形成過程にみられる分化波に対する数理モデルからの理解
B:どんな数学・数理科学をどのように使ったか。
数理モデリング,数理モデルに対する数値シミュレーション,計算機援用解析,縮約理論
C:どんな成果が得られたか。(あるいは、どんな成果を目指しているか。)
EGF拡散とDelta-Notch系を組み合わせた数理モデルの構築に成功した.この数理モデルはPronural wave 対する実験系を説明することができた.この数理モデルはDelta-Notch系として知られているショウジョウバエの複眼形成プロセスで見られるごま塩パターンも再現することができた.プロニューラルウェーブからゴマシオパターンへの変化はEGFの拡散が本質的であることを数理モデルから示唆し,実験系によって検証することに成功した.この研究では数理科学駆動による生命科学の現象解明を行うことができた.
D:どのようなきっかけでその諸分野・企業との連携が始まったか。
生命系の研究者と数理モデリングの研究打ち合わせを行っているときに,ショウジョウバエの発生初期にみられる分化波について実験系を紹介された.