研究事例

AIMaP成果事例集
2017A016,2018A017 研究テーマ

ウェーブレット解析に基づいた,脳波を用いた他覚的聴覚検査の診断時間の高速化

研究者名 井川信子,守本晃,芦野隆一 研究者所属 流通経済大学,大阪教育大学,大阪教育大学
キーワード ウェーブレット解析,他覚的聴覚検査,脳波(ABR, ASSR),脳波の加算平均
研究内容
A:どんな諸分野・企業の、どんな問題や現象をターゲットにしたか。

他覚的聴覚検査という,脳波を用いて耳の聞こえを確認する方法で,乳幼児,詐称,痴呆などの正しい受け答えのできない人向け.検査時に大きな音を長時間(20・30分)聞く必要があるので検査時間を短縮したい.

B:どんな数学・数理科学をどのように使ったか。

ABR 検査では,脳波を定常離散ウェーブレット変換して周波数帯域を分けてから,加算する方法を用いた.ASSR 検査では, 複素数値連続ウェーブレット変換で 40Hz 帯域の信号があるかどうかを調べた.

C:どんな成果が得られたか。(あるいは、どんな成果を目指しているか。)

ABR 検査では,7倍くらいの高速化ができた.ASSR は5倍くらい.ただし,複数の正常な被験者で音の入力が有る無しに対して脳波の反応があるかないかしか調べられていない.聴覚異常の被験者での十分な実験が必要である. 

D:どのようなきっかけでその諸分野・企業との連携が始まったか。

井川先生が,Wilson のABR 波形をウェーブレット解析した論文を読んで,こちらに連絡があった.