研究事例

AIMaP成果事例集
2017A019、2018A021 研究テーマ

⾮ノイマン型計算、理論と応⽤

研究者名 寺本 央 研究者所属 北海道大学電子科学研究所
キーワード 非ノイマン型計算機、専用ハードウェア、グラフ理論、確率過程、イジング計算機
研究内容
A:どんな諸分野・企業の、どんな問題や現象をターゲットにしたか。

近年、CPUのクロック数が頭打ちとなっている状況で、各社が従来のコンピューターに代わる新しい専用ハードウェアを開発している。しかしながら、その専用ハードウェアを活かすためのアルゴリズムの開発は立ち遅れており、今回は特にそのような専用ハードウェアの中でイジング型計算機に着目し、社会問題をそのハードウェアによって求解可能な問題へと変換するアルゴリズム開発をターゲットとした。

B:どんな数学・数理科学をどのように使ったか。

アルゴリズム的グラフマイナー理論と焼きなまし法と呼ばれる非定常マルコフ過程を用いた最適化の手法

C:どんな成果が得られたか。(あるいは、どんな成果を目指しているか。)

カナダの量子アニーリングマシンを初めて市販したD-Wave社が利用しているCaiらによる標準的アルゴリズムと同等かあるいはそれを上回る性能を示すアルゴリズムを開発した。その成果は、Theory and Practice of Natural Computing, Springer International Publishing, Cham, pp 111 – 123 (2018)およびsoft computing (投稿中)で報告した。

D:どのようなきっかけでその諸分野・企業との連携が始まったか。

2016年6月に日立製作所が北海道大学にエンベデッドラボを解説したことをきっかけに日立製作所と北海道大学の共同研究がスタートした。AiMaPのワークショップも関連する情報を収集するのに大変役に立った。