研究事例
AIMaP成果事例集
2018A002
研究テーマ
特異点論を用いたパレート解の研究
研究者名 加葉田雄太朗 研究者所属 九州大学 IMIキーワード 多目的最適化,パレート解,特異点論,微分トポロジー
研究内容
A:どんな諸分野・企業の、どんな問題や現象をターゲットにしたか。
多目的最適化問題でのパレート解の構造を特異点論の手法を用いて解析できないか, という富士通研究所の濱田氏が提起した問題に取り組んでいる.
B:どんな数学・数理科学をどのように使ったか。
多目的最適化問題におけるパレート解は写像の特異点集合の部分集合と考えることができるため,特異点論や微分トポロジーなどの数学における手法や知見を適用できた.
C:どんな成果が得られたか。(あるいは、どんな成果を目指しているか。)
多目的最適化問題の中で強凸問題と呼ばれるクラスに対して,そのパレート解が単体に同相となるための条件を決定するなどの成果を,濱田氏,早野氏(慶応大),一木氏(九大),寺本氏(北大)との共同研究で得て,論文としてまとめた. Cf. N.Hamada, K.Hayano, S.Ichiki, Y.Kabata, and H.Teramoto, Topology of Pareto Sets of Strongly Convex Problems,SIAM J. Optim., 30(3), 2659–2686. (28 pages) https://epubs.siam.org/doi/10.1137/19M1271439
D:どのようなきっかけでその諸分野・企業との連携が始まったか。
濱田氏から数学者サイドへの問い合わせがあり,その後IMIの共同研究事業や理研AIPなどの支援を受けながら濱田氏と若手数学者の間で研究を進めた. その他AIMaPの進化計算シンポジウムでの特別企画を含めた種々の研究会での発表なども研究促進に非常に役立った.