研究事例
AIMaP成果事例集
2018A008
研究テーマ
固体電解質中のイオン伝導の数理に関する研究
研究者名 神坂 英幸、檜貝 信一、可香谷 隆助教、小磯 深幸教授、白井 朋之教授 研究者所属 村田製作所、九州大学 IMIキーワード 全固体電池、電池材料、セラミック材料、イオン伝導
研究内容
A:どんな諸分野・企業の、どんな問題や現象をターゲットにしたか。
電池産業分野、セラミック材料産業分野で実用化が競われている次世代電池 固体電解質は、高いイオン伝導性をもつ物質で、全固体電池の開発に欠かせない。しかし固体中のイオン伝導については、ごく簡単なモデルにもとづく議論に留まっており、集団としての振る舞いはほとんど理解されていない。
B:どんな数学・数理科学をどのように使ったか。
複雑なネットワーク構造をもつイオン伝導パスに対し、相互排除する多粒子の拡散がどのように生じていくか、数値実験、幾何学、確率論を組み合わせてアプローチしていく予定。
C:どんな成果が得られたか。(あるいは、どんな成果を目指しているか。)
結晶構造中の安定サイト間の確率的な乗り移りをもとに、相互排除やクーロン相互作用の影響をしらべ、それが全体のイオンの流れやすさ、または流体極限へどう影響していくか把握し、イオン伝導性物質の設計指針を目指す。
D:どのようなきっかけでその諸分野・企業との連携が始まったか。
檜貝が幹事を務める「コンピュータによる材料開発・物質設計を考える会(CAMMフォーラム)」での小磯教授による依頼講演、AIMaP運営委員としての参画(檜貝)、Study Group Workshop(SGW2016、2018)への参加、シンポジウム「数学パワーが世界を変える2018、2019」での依頼講演