当協力拠点では附属社会創造数学研究センターと数学教室との密接な連携により、先端的な教育・研究そして高次の産学連携を推進しています。前回は附属社会創造数学研究センターの活動をメインに記載したので、今回は数学教室を主とした活動を三つ挙げます。
(1)数理・データサイエンス教育研究センターを通して大学全体の数学力の向上に貢献:一年次の微分積分や線形代数の演習問題の大規模なオンライン化(国内初)を進めるなどして、論理的思考力獲得のための時間の確保に成功しています。更に、数学専攻の博士課程院生やポスドクが北大全体でのAI教育支援の実働を担うことにより、他分野やAI教育に関する彼らの知識やスキルが向上し、素敵なキャリアパスにつながっています。このような試みも我々の数学教室が初めてです。
(2)形状最適化プロジェクトの立ち上げ:その工学的応用の重要性もさることながら、数学的にも関数解析・確率論・微分方程式論など異なる分野が交わるテーマであるため教員や学生に分野横断的な議論を行う機会を提供しています。そこでは各個人の専門性をぶつけ合う、まさに大人のセミナーが実現されています。
(3)ピサ大学と協働サマースクールの実施:毎回、院生10名程がピサに滞在し、実践的国際力を獲得しています。
この様に本協力拠点では数学・数理科学の底力を諸科学・産業界に向けて発信するとともに、高度な数学人材の育成と数学自身の深化に取り組んでいます。