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情報・システム研究機構 統計数理研究所

 統計数理研究所(通称、統数研)は戦時中に設立されました。設立時の報道には、米国が第二次大戦を「数学戦」と称しているといった物騒な文言も見られます。一方、現代はデータ駆動型時代になり、人工知能の活用や開発による生産性向上に米国も中国も膨大な博士人材をつぎ込んでいます。人工知能を支える学術が、数理最適化と統計的機械学習ですから、数理科学人材による総力戦が開始されたと言っても過言ではありません。統数研は、それらの基幹数理を発展させると共に、諸学術への展開をミッションとしてきました。今やその展開を産業界にも行わねばならないことは明らかで、2018年には産学連携シンポジウム(写真)も開始しました。一方統数研が、社会とのインターフェース構築のために行っている事業としてNOE(Network Of Excellence)センターの設置があります。特に、「ものづくりデータ科学研究センター(吉田亮センター長)」では、目標物性を満たす新素材を数理シミュレーションと統計的機械学習を駆使して効率的にデザインする方法を確立しつつあります。私は、この種の活動が、わが国産業界全体の競争力を数理で底上げすると考えます。まだまだ日本の産官は数学・数理科学の活用の知を持っていないし、それが何に繋がるかも十分理解していない状況と危惧します。AIMaPの活動による、数学総力戦時代に必要な社会知の形成が、日本産業再興の必要条件と信じます。

大学共同利用機関法人 情報・システム研究機構

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