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サイエンスアゴラ2018講演会「数学で読み解く同期現象~メトロノームはなぜ揃う?~」

 2018年11月9~11日に東京で開催されたサイエンスアゴラ2018(年次総会)にて、AIMaPより「数学で読み解く同期現象 ~メトロノームはなぜ揃う?~」を出展しました。サイエンスアゴラは「あらゆる人に開かれた科学と社会をつなぐ広場」をコンセプトとして、JSTにより2006年から開催されている非常に大きな規模の科学イベントで、今回は会全体で4000名以上の参加がありました。 同期現象とはたくさんのものが持つリズムがそろう現象のことで、心臓の鼓動や我々の寝起きのリズムといった生命現象、時計やメトロノームの振動をはじめとする物理現象のみならず、それらを抽象化することで得られる理論物理や数学にも広く見られます。郡宏教授(東京大学)の講演では「身近な道具でシンクロ現象を体験しよう」と題し、身近な現象に潜む同期現象を体験していただき、千葉逸人准教授(九州大学)の講演「同期現象の数理」では同期現象の背景にある最先端の数学理論を紹介していただきました。その後、郡教授、千葉准教授と一般参加者の質疑応答からなるパネルディスカッションが行われました。
 サイエンスアゴラ2018の多種多様な全120企画の中でも数学をテーマとした企画は珍しいものでしたが、本企画には幅広い年齢層から成る60名もの皆様にご参加いただきました。参加者が実験装置を用いて同期現象を体感する郡教授の講演ではその不思議さに歓声があがったり、同期現象の背景に潜む数学についての千葉准教授の講演ではその奥深さに真剣に耳を傾けたりするなど、参加者の皆様の本企画をそれぞれに楽しむ様子が多くみられました。さらに、パネルディスカッションでは、社会人や学生の方からの「同期現象の数理モデルである蔵本モデルに関した数学的により踏み込んだ」質問や、小学生の方からの「実験装置の条件を変更するとどのような結果になるのだろう」という質問など、講演者が回答に考え込むような鋭い質問も飛び交い、本企画の趣旨に叶う充実した内容となりました。

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