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数学・数理科学専攻若手研究者のための異分野・異業種研究交流会 2018

 2018年11月17日に明治大学中野キャンパスで開催された「数学・数理科学専攻若手研究者のための異分野・異業種研究交流会」は、数学・数理科学専攻の博士課程学生をはじめとする若手研究者と産業界を含む異分野の方々との交流の場として、日本数学会社会連携協議会と統計数理研究所「数学協働プログラム」が協力して2014年より開催してきたものです。昨年度からAIMaP事業が、数学・数理科学と諸科学・産業との連携を促進する当研究交流会を共催しています。
 この研究交流会の主目的は、数学の若手研究者に諸科学・産業への応用展開のような数学の思わぬ力を発見してもらうこと、および産業界を含む様々な分野で活躍できる場の存在を認識してもらうことでした。また、教育・研究機関や企業関係者様に、産業界における数学・数理科学やその知識を有する人材の動向を把握してもらうことも企図されています。今回は24の研究機関、38の企業等団体から226名が参加し、アカデミックな分野と実社会における企業の人材が一堂に会して幅広く交流するというユニークなスタイルの研究会となりました。
 当研究交流会の冒頭では、Yahoo! JAPAN研究所所長の田島玲氏による基調講演「Yahoo! JAPANにおけるデータ利活用と数理科学」が行われました。データドリブンな事業の展開を促進するYahoo! JAPANの取り組みとその実現例(位置情報を集約・モデル化し、交通の異常混雑を予報するサービスなど)が紹介されたほか、講演後半では「数理科学の貢献」と題して数学・情報科学の諸研究が新技術の開発につながりうると強調されました。
 当研究会の後半では、参加企業による会社紹介、および若手研究者によるポスター発表が行われました。社会人や他分野の研究者にも研究内容がわかりやすく伝わるよう工夫されたポスター発表が増えており、発表会場では分野の垣根を超えた活発な議論が展開されました。このポスター発表については参加者による投票が行われ、10件の発表がベストポスターとして選出されました。
 来年度の研究交流会は東京大学大学院数理科学研究科にて開催されます。当研究交流会を通じた今後のさらなる交流の広がりに期待が持たれます。

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